• ユニコーンに間に合わなかった僕からあなたへ。(上)

四ツ葉の森(上)

四ツ葉の森(上)

中学生だったある日、僕の音楽嗜好に大きすぎる影響を与えた友達が
解散のニュースに思い切りショックを受けていた。
彼のことは信頼し切っていたので、そんなあいつがこれほど悔やむ
ユニコーンってどんなバンド?これがユニコーンとの出会いだった。
友達を信じているとはいえお金は自由にならない中学生、
万が一外れた場合も考えるといきなり買う勇気もなく、
CDレンタル屋に走り、大迷惑と働く男と
すばらしい日々のシングルを借りた。中学生には一番分かり易い*1
派手な曲調の大迷惑が僕の心を掴んだ。
そしてザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーンが出た。
ちょうどその頃小遣いを切らしていた僕は、親に買ってくれと頼んでみたら
父親がパチンコの景品として取ってきてくれた。
父親には感謝しているけど、ユニコーンにはなんだか申し訳の無い
アルバムの入手方法だな。それはともかくmaybe blueから
すばらしい日々まで一回通して聞いた時、
もう一生付いていこうと思った。もういないバンドなのに。
何で早く教えてくれなかったんだと僕は友達を少し恨んだ。


次々とアルバムを聞いていき・・とはいってもオリジナルアルバムは
8枚しかないのですぐに聞き尽くし、今度はライブビデオや、
ドキュメントである
ユニコーン・ムーヴィー6 - ザ・ヴェリー・ラスト・オブ・ユニコーン・ビデオ Vol. 1 [VHS]
を見たりして、生でライブを見たり、バンドが劇的に変貌していく様を
リアルタイムで追いかけてきた羨ましい人達との差を埋めようとした。
もちろん奥田民生が中心人物ではあるのかもしれないけど、
決して民生のワンマンバンドではないという事が分かっていき、
ユニコーンのライブにおいて阿部義晴が必殺の飛び道具である事も
良く分かってきた。とにかく暴れ回り、時には暴れすぎて
脱臼してライブを中止にするほどアクティブに動き回るアベB。
「バカだなあ」と笑いながら見ていた。当然ながらこの場合の
「バカ」は最上級の褒め言葉だ。何も知らなかったし、
知る由も無いからアベBは面白い人なんだと単純に思っていた。
そんな阿部が元ユニコーンの先陣を切ってソロ活動を始めた。
欲望はバカな事ばかりやりながら、
曲を書かせると誰よりも泣かせる阿部の真骨頂とも言える名曲だった。
続け様に出たA
ユニコーンの時には開かなかった引き出しを開けた作品、
今でも時々無性に聞きたくなる。
ソロになって民生は独自の世界を築きあげていったけど、
阿部は阿部でこれからも面白い作品を次々出してくれそうだなあと
期待していたのだけど、Wildfireを最後に
阿部はアルバムは通販で発売する形を取るなど、
内に篭もっていく様な印象を受ける活動形態をとり始める。
通販だと必要以上に煩わしいと感じてしまう僕は、
阿部の作品を手に取ることが無くなった。




・・思った事をそのまま書き続けていたら止まらなくなって来ました。
明日に続く。

*1:大人になると歌詞が身近なものになり、さらによーく分かって来ますが